マーク・ライデン / 画集
可愛いものは怖いもの
皆さんはマーク・ライデンをご存知?
一度見たら忘れられない作品を生み出すアーティストよ!
http://www.markryden.com/
可愛いと思っていたお人形の顔がとてもグロテスクに見える一方、目を背けていた昆虫の目が美しかった事に気付く・・・。人間は最初どうしても外装から判断してしまうけれど、深い部分まで探ると違ったものが見えてくる。ライデンの絵はそこを見事に表現しているわ。
少女・うさぎ・リンカーン・血・生肉.....これらをノスタルジックで繊細な画風で描き、納得させてしまう。落ちた自分の頭を持つ少女の首から血が噴き出す「噴水」という作品があるのだけど、
怖さよりその美しさは見るものを黙らせてしまうわね。キュートでブラックで生々しい・・・。将来コラボレーションしたい方の一人だなあ。
小山田二郎 / 個展
美しき異形
画家の小山田二郎氏をご存知かしら?生まれつき顔に重い障害を持ちながらも数々の素晴らしい作品を残されている方よ。
ぱっと見ると色彩は決して明るくはないの。画面にはグロテスクで恐ろしい異形のものが息づいているけど、決しておどろおどろしたタッチではないわ。
一番印象深かったのは工場から上がる火が夜空に赤々と燃えている作品なのだけど(タイトル忘れてしまいました)その絵の前に立つと温度を感じて熱くなってくるの!何度立っても同じ!!ひえー!!とにかく不思議なのは作品の前に立つと自分の本当の姿を見透かされてしまう様な気がして何だか恥ずかしくなってくるのよ。
ダイナミックな筆遣い・・・何度も何度も筆を運んだ後を見ると、「見てみろ!偽善者め!くやしかったら正直に生きてみろ!」という声が聞こえる気がして胸が締めつけられたわ。彼は生涯自分の醜さをキャンバスに投影し怒りや苦しみや悲しみをまっすぐに表現していたのではないかと思う。
誠に勝手ながらあまぞーらの精神に通ずる所があるのではないかと思い、初めて拝見した個展で凄いショックを受けてしまったわ。小山田さん、ピポ子もまっすぐに正直に生きて表現をしていきます。恥ずかしくないように、しっかりと!!
この絵のタイトルは「ピエタ」
ピエタとはイタリア語で哀れみ・慈悲などの意味。一般的には死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリアの彫刻や絵の事を指すの。一番有名なのが1499年にミケランジェロが完成させた大理石の彫刻ね。