Art2009_05-09

老子英夫老子英夫 / 個展

背は口ほどに物を言う

すっかり夏らしい香りがしてきたと思ったら、街中どこも楽しそうな人だらけ。行き交う人の表情や髪形、洋服、靴・・色々な要素がその人自身の物語を描き出しているよう。

だからピポ子は人を見ているのが大好きなの。

ちょっと思い立ち、久しぶりに馴染の画廊を覗いてみると、「老子英夫」という作家の展覧会が開催されていたわ。ミニマムに並んだ小振りのキャンバスには、すべて"人間の後ろ姿"が描かれていて正面はひとつもないのよ。しかも作品は番号のみで、タイトルは無し。

"後ろ姿"を見回すというのも奇妙な感じだけど、自分までもが作品のひとつになった気分だわ。絵のタッチは写実的なものと誇張されたものの2種類があって、どことなくノスタルジック。子供二人が麦わら帽子を被って仲良く座っていたかと思えば、昭和の香りがする親子が手をつないでいたり、ブーツを履いた女性2人が会話をしていたり、ハンチングを被ったこ洒落たおじさんが肩をやや上に上げ緊張した様子で立っていたりと、どの立ち姿も一見しただけで状況や人間関係が手に取るようにわかってくるから凄い表現力!

そうかと思えば、反対側の壁には構図を凝らせた作品が並んでいたの。どれもやはり後ろ姿だけど、手前に快活なステップを踏む男の足、その向こうに立ち尽くす男の全身の対比はどこかクール。その隣には海に向かって立つグリーンのジャケット姿の男性・・現実味は他の作品と比べて現実味がなく、「Spock’s Beard」というバンドのジャケットの雰囲気に近いものがあるわ。

老子氏自身のプロフィールや情報は残念ながら殆ど不明なのだけど、色調を見るとかなり年配の方のような気もするし、構図を見ればかなり若い方のような気もする・・。きっと彼は人間の背中に見える"生き様"を描き続けていくんだろうなあ。人間はどんなに正面で取り繕っても、相手に背を向ける時必ず本性が現れる、きっとその部分を描き出したかったのではないかと思うの。

あなたは人と別れる時、その人の背中を見送りますか?ピポ子は必ず見送るわ・・理由は別れがたい気持ちと・・真実を感じるためよ!ふふふふふ。

週刊少年漫画50周年週刊少年漫画50周年

記念切手 / 郵便受けから香るストーリー

大抵の連絡はメールで事足りてしまう昨今・・・でもピポ子は手紙でのやり取りの方が好きだわ。今でも時間があるときは、近況報告を兼ねて知人に分厚い手紙を送ったりするの。

手紙を送る楽しみは便箋や封筒の柄の選出だけど、特に切手の柄にはこだわりたいもの。でもなかなか気に入った切手って入手出来ないのよね。

しかし・・・この記念切手は別格!

「週刊少年漫画50周年」と銘打ったシリーズ切手は週刊少年マガジンとサンデーの2種類があるの。両方購入しようかどうしようか悩んだけど、好きな作品が多く掲載されてるマガジンをチョイス!大好きな「あしたのジョー」や「鬼太郎」は勿論、「タイガーマスク」「空手バカ一代」「愛と誠」と歴史的名作が目白押しなのも嬉しいわ。

よく見てみると、梶原一騎原作が5作品も!・・やはり彼は時代の寵児だったのね。しかし、切手サイズに縮小されているのにどの絵柄も凄い主張ぶり。内容は知らなくても一見して「こういうストーリーだろうな」と納得させられてしまうのは、やはり作品自体がしっかり作り込んであるからなのね。

時を超えても残っていく作品というのはこういう事なんだろうなあ、と改めて思い知らされました・・。マニアではないけれど、この切手シートは絶対使えない!もしどなたか、ピポ子にお手紙を送って下さる予定のある方、是非「あしたのジョー」でお願いしますね。待ってるわ・・ふふふ。

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2009 5-09
老子英夫 / 個展
週刊少年漫画50周年 / 記念切手

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