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100319.jpg泉谷しげる / 個展「マンガは爆発だ!!」

鬼才・泉谷画伯

泉谷しげる氏が新宿高島屋で個展『マンガは爆発だ!!」早速足を運んだわ。

正直、今まで泉谷氏の音楽や言動に興味はなかったけど、TVで彼の作品を見た途端「こりゃ只者ではない!」と衝撃を受けたからなの。その大胆な色使い、筆遣い、キャンパスから溢れ出る熱情はテレビの画面を通しても十分すぎるほど伝わって来たわ。

ファンの方はご存じかもしれないけど、泉谷氏が漫画家を目指していたという事実を知り凄く親近感がわいたのも理由の一つよ。会場はエントランスから中まで泉谷氏の手作り一色!彼自身が紙とペンで丁寧に切り貼りし、来場者をもてなすという心意気が実に暖かく見事だった。

足を踏み入れた瞬間数々の作品に迎えられ、遠い昔大好きだった文化祭のわくわく感が蘇ってきたわ。リキテックスで大胆に描かれた作品も圧倒されたけど、泉谷氏が雑誌に投稿したマンガの原稿、そして「猫化粧」というオリジナルストーリーの構想の絵コンテを見た時、不思議なことに他人のような気がしなかったのよね。

画風も色使いも全く自分とは違うけど、紙から伝わってくる温度というか匂いが酷似していたの・・こんな事は初めてよ。鉛筆で描かれたコンテは実に繊細で美しく、泉谷氏にこんな一面があるのだと知り更に感動!

他にも『スペースコブラ』やアメコミに影響を強く受けたと見られる作品もあったけど、どれもこれもモダンで生き物のように線が息づいていたの。紙やキャンパスに描かれたものたちが「我慢できない!」と今にも飛び出してきそうな勢いなのよ。命の雄々しさ、生きとし生けるものの叫び、情熱の炎・・これこそが「泉谷しげる」なのだ!と洗礼を受けた気分・・この人は本当にアーティストなのだと痛感させられたわ。

しかも彼は孫の為に作ったうさぎと像のキャラ「うぴょうとん」のアニメも手がけ、自作の曲でPVまで制作していたの。手描きのキャラに簡単な動作をつけているだけなのに、生きてる生きてる!機材がどうのと理屈ばっかり並べるクリエーターの人は絶対見るべきかもしれないわね。

作品は作り手そのもの、生き様そのものであると痛感させられたわ。今回泉谷氏のエネルギーを直に受け、ピポ子の奥底でまだ眠れるマグマがふつふつと沸きだしてきた気がする。久々のこの熱い感じは何だ!?これはもしや・・触発泉谷熱なのか!うおお、みておれよ~!

100317.jpg井上洋介 / 個展「60年代エログロナンセンス」

赤いヒールのエロチシズム

外のガラス越しだとタイトルほど異様な雰囲気は無かったけど、一歩画廊に立ち入った男性がすぐに出てきたので、これは曲者に違いないと確信。中でじっくりと作品に向き合うと、そのパワーに納得させられたわ!

御年78才になる井上氏は「くまの子ウーフ」等の作品で有名な絵本作家なの。とても優しく暖かみのある線が特徴的で、可愛らしさの中にちょっと微量の毒を含んでいる作風と言わせて頂こうかしら。

今回はそんな彼の30年以上前の作品を集めた展覧会なんだけど、古臭さなど一切感じないしシチュエーションも現代的で、つい最近の作品と言われても不思議ではないの。油彩の作品は赤、緑、黄土色で構成されているのが殆どで、実に大胆。その他はペン、カラーインクで描かれており、その線から彼の感情が余すところ無く伝わってくる。

どの作品にも必ずと言って良いほど"赤いヒール"の女性が登場し、目玉がひとつしかない男性と抱き合っていたり、大きな手に囚われていたりしているわ。そして何故か包帯で体の一部を必ず巻いているのよ。赤ヒールは女性の美しさと艶めかしさを象徴しているけど、彼女たちは異形の男性達に傷つけられた体を庇いながら生きているのかもという解釈が生まれたわ。

どれも実にエロティックでパッと見ると誤解をしてしまいそうだけど、井上氏の女性を崇拝と慰謝の念を感じずにはいられない。大胆かつ繊細に、時には皮肉を交えつつ女性を愛するエネルギー・・女性が強くなったと言われる現代ではあるけど、その分傷を負っているのも確か。井上氏は現代に警鐘を鳴らすべくこの作品をぶつけてきたのかも・・だとしたら凄いフェミニストなのかもね・・素敵。

Art Review

ピポ子が体験した希有な作品群

2010 1-3
泉谷しげる / 個展
井上洋介/ 個展

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