Music2009_01

090110.jpgNightwish

Dark Passion Play

レコーディングで意外に難しいのが、生のフルオーケストラとマーシャルをフル10で歪まる系のサウンドの合体・・。過去にも様々な作品があったけど、あまり一体感はなく、結局歪み系の人達もアンプラグド的な手法でナチュラルにサウンドを表現するという事が一時期流行ったわ。

そこにあるCDが届いの!2007年発売の"Nightwish"というフィンランドのバンドの最新作「Dark Passion Play」。欧州で絶大な人気を得ているようで、新作も各国でゴールドディスクを獲得している96年結成されたシンフォニック系メタルバンドよ。そして驚いたわ~!

生のフルオーケストラは波動のアンサンブルだから、そこにアンプで歪まされた音圧、特にメタル系の大音圧が混ざると生音はかき乱されてしまうし、フェーダーで生音を上げても音が在るだけで濁ってしまう・・。最終的には主体の歪み系サウンドの背景のようにレイヤー化されたMixで終わってしまい、手間がかかったわりにはこじんまりとした作品に仕上がるのが常だわ。

が!、この「Dark Passion Play」はメタル系の大音圧とオーケストラの空気感が見事に一体化してるではありませんか・・。どのようにレコーディングされたか興味津々よ。特に一曲目の14分大作「The Poet And The Pendulum」には楽曲構成だけでなく、詳細な音場のテクニカルなお仕事ぶりに脱帽だわ。思うに、きっと作曲者やエンジニアは映画音楽が大好きで感覚的な何かを持っているのね。

と言う事で、これからプロのエンジニア(ミキサー)を目指している方に、是非視聴していただきたい1枚です。PCの前でちょこまか音を作っていてるだけではダメダメね!!

090119.jpgビヨンセ

I Am Sasha Fierce

ビヨンセの新譜「I AM SASHA FIERCE」発売時、渋谷の駅構内一面のポスターを目にして「素顔の私」というとんでもないコピーをダサダサのフォントで入れたSony Musicの販促センスのレベルの低さに愕然とさせられたけど、中身はやはり素晴らしかった。

今回のコンセプトは、一人の女性である"ビヨンセ"と彼女の別人格である"サーシャ"の2人が織りなすアシンメトリーな世界。でもいつもそうだけど、彼女のアルバムは必ず1曲目でやられてしまう。"ビヨンセ・サイド"初っぱなの"IF I WERE A BOY"は、女性ならヘッドバンキングして「わかる!わかる!」と叫んでしまいたいくらい女心を見事に歌い上げてるの!

「もし私が男だったら、飲みに行くし携帯も切るしバカもする・・・でも彼女が悩んでたら話も聞く・・・辛さが分かるから。」女性が自由気ままな男性に振り回されるのは世の常。だけど女性はいつも痛みを抱えながらもこんなに愛にひたむきになっている・・・シンプルな楽曲ながら、そんな心強さが歌声がらビンビン伝わってきたわよ。

何があったんだ・・・ビヨンセ!更に"サーシャ・サイド"ではアッパー・チューンの嵐よ。"SINGLE LADIES"はサーシャの"シングル"という言葉が頭の中をグルグル回って離れやしない。歌い方もアットランダムに富んでいるから、聴いていて新たな発見の連続なの。アルバム全体もPVも全編モノクロで統一されているから、際だった部分だけがピックアップされて尚素晴らしい!本当に実力がある人でないとこんな挑戦は出来ません・・・。

090103.jpg長岡成貢

Romantic GOLD

通称「seiちゃん」こと、長岡成貢さんの9年ぶりのソロアルバム「Romantic GOLD」が1月1日に発売になったわ。

長岡さんとはある方を通じてお紹介いただいて、現在、時期は未定ながら次回アルバムでピポ子(AMAZORA)のサウンドプロデュースをお願いしているの。長身でいつもお洒落な長岡さんは、人柄も暖かく"お兄さん"といった風情で茶目っ気もたっぷり。前世は多分フランスの生まれではないかと思う位ヨーロピアンな香りがするわ。

新譜はまだ聴いてはいないのだけど、前作のサウンド同様"洗練された"大人仕様"で、ピポ子もヴォイストレーニングでお世話になった大野えりさん他、内外のトッププレーヤーが集結した豪華ラインナップ!

PINKYのモデルでもお馴染、鈴木えみがジャケットを飾っている・・のですが、個人的には長岡さんの宣材写真の方が気に入ったので載せてしまったわ。ちょっと普段と違いおすましさんだけど、ダンディさが出ていて素敵です。

常に前向きに物事に取り組み、美しいものを愛し、洒落を忘れない・・・いつでも楽しむ事を忘れずにいる長岡さん。この域に達するにはまだまだだけど、人生の先輩として今後も要注目よ~!
(長岡成貢official web)
www.tonal.tv

090129.jpgジャミロクワイ

Emergency On Planet Earth

一人であるけどバンド・・「ジャミロクワイ」。あくまでライブでは生音にこだわり、新たな表現方法を模索する。そしてかぶり物・・偶然ではあるけど、彼はピポ子が目指す方向と似ているかもしれない。

「ジャミロクワイ」の音に初めて触れたのは今から十数年前。"Virtual Insanity"のPVには衝撃を受けた人も多いんじゃないかしら。ボーカルのJay Kayのファー帽とジャージという独特なファッションはその音楽同様注目され、真似る人が後を絶たなかったわ。

ピポ子が一番気に入っているのは1stアルバム『Emergency On Planet Earth』!ボーカルとしての声質は好みではないけど、気持ちの良い"間"がぐっとくる、いかにもイギリスっぽい香りがプンプンする楽曲は改めて聴いても格好良い。アシッド・ジャズというジャンルにおいて最も成功したグループと言われてるけど、オリジナルメンバーはJay Kayだけという構成も実にユニークだわ。

今作ではそのタイトル通り、彼が長きに渡り訴え続ける環境問題や先住民族への思いがテーマになっていて、空っ風のようなクールさがあると思えばねっとりとしたホットさがうまく融合されているの。パーカッションもさりげない存在感があって、ダンサンブルな中に匂い立つような土っぽさを演出してるわ。

実は最近気づいたのだけど、このパーカッションのコフィ・カリカリという人はAMAZORAのベース川井氏が昔イギリスでセッションをした人だったの!そのままイギリスに来いと誘われたそうなんだけど、その数年後彼はAMAZORAに参加することに・・・。ううむ、運命とは皮肉なものですな。ピポ子もがまぐち帽をトレードマークにiTunesを制覇してやる!

090121.jpgトロピック・サンダー

サウンドトラック

ベン・スティラー主演監督の映画「トロピック・サンダー」を見た時、その作品の素晴らしさに感動させられたのは勿論だけど、エンディングロールで流れていた、超クールなリズムトラックに各キャラの台詞をサンプリングした楽曲があまりにも良くできていて、その曲聴きたさにサントラを購入!がっ!・・・入ってなかった。

というより久々に聴くフルオーケストラの"純正サントラ"だったの。「プラダを来た悪魔」や「ドッジボール」でもおなじみのセオドア・シャピロが監修してるので作品の世界観が広がるのは当然だけど、オーケストレーションからドカドカのロックに移りこむ部分がドラマティックで良い感じよ!

サントラの良い所って、CDをプレイした瞬間から映像が思い浮かんできて自然と物語に導入させられてしまうという点かしら。

本当に音楽の底力って凄いわよね!曲のタイトルもストーリーに沿ってシンプルなんだけど「パンダ・コール」など、本編を見た人なら「ぷぷっ」と笑えるような曲名もちらほら・・・。1度じっくり聞いてしまうと、次回まで少々時間を置いてしまいがちなサントラ。だからこそ!あのエンディングの曲を入れて欲しかったわ!そうすればヘビロテだったのに!!

まぁ、たまには作業中にフルオーケストラも、緊張感が出て悪くないかもね。急がねば~。

Music Review

2009 1
Nightwish / Dark Passion Play
ビヨンセ / I Am Sasha Fierce
長岡成貢 / Romantic GOLD
ジャミロクワイ / Emergency On Planet Earth
トロピックサンダー / サントラ

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