Music2007_09

img2e551cbfzik3zj.jpegリリ・ヘイデン

リリ

アルバムを手に取った瞬間「こりゃきてるぞ〜」と思った事はない?ピポ子はあるわ!

リリ・ヘイデン嬢のファーストアルバム「リリ」がまさにそれよ。

こんな才能溢れる美女をまた見つけてしまった!!シャガールの絵と見事融合したリリが、ヴァイオリンを持って座り込むジャケットのデザインは斬新で、ただならぬ風格を醸し出してるの。音を聴いて更に度肝!ヴァイオリンの音というと、物静かな調べとタイトな強さ位しか思いつかなかったけど、様々な表現があるものなんだと思い知らされちゃった。

ああ、やはり音楽って自由なんだ・・・楽器は人間の情感を表現する道具に過ぎないんだわ・・・とまたまたまたまた気付かされましたわ。彼女はボーカルもこなしているの!綺麗な高音の持ち主でささやいたり吐息の様に歌うシーンが多いけど、どんな細い音を発しても中心に芯が1本ずーっと通っていて力強い。

ボーカリストであるならばそれは出来て当たり前だけど、彼女はヴァイオリンに負けず劣らず素晴らしい声の持ち主よ。アルバムの1曲目からほぼやられっ放しになるけど、繊細で美しいと思いきや突如炎が燃え上がり鎮火していくといった具合に場面が変っていき、彼女の根底にある'強さ'や'決意'の様なものをガンガン感じてくるの。

ボーナストラックに収められている「Only So Much」はこのアルバムの代表曲にすべき位の名曲で、ここから発せられるリリ嬢のエネルギーは半端じゃないのよ!!ヴァイオリンが奏でる苦痛と叫びは他に類をみないショック作品と言っていいわ!なんでこれがボーナスなのだ!?とクレームを付けたいわよ。

でも・・・残念な事に結婚したリリ嬢が次に発表した作品は健康的になっていて、ピポ子の大好物の'素敵な陰鬱さ'は完璧に消えうせてたの・・・。幸せになってくれたのはファンとして嬉しいけど・・・またこの頃に戻ってというのは酷かしらね・・・。

imgcab9d4c2zikazj.jpegケイト・ブッシュ

The Dreaming

'ケイト・ブッシュ'嬢と聞くと、真っ先にどんな映像が浮かんでくるかしら?クリッとした目・・・しなやかな体・・・天まで突き抜けるような声・・・。

どこからどう見ても間違いのない美人だわ。そして彼女の生み出す音楽は、かつて聴いた事も見た事もない'産物'であることは確かね。初めて聴いた作品はかの有名な「バブーシュカ」。

ちょっと登って降り、降り切ったと思いきや横道にそれる、そのメロディーラインの妙にあっという間に引き込まれてしまった!'変なメロディー'なんて言う人もいるけど、表現出来る言葉が見つからないわ。'神懸かりに妖しく美しい'と言うべきね!

彼女は人間ではないのではないかと錯覚を起こす瞬間もしばしばあるもの。そう思ったのは1982年、ケイト嬢が自ら単独プロデュースしたという「The Dreaming」を聴いてからかしら。

彼女の狂気の部分・・・というか根底にあるものが爆発した素晴らしい作品よ!どのアルバムもジャケットのデザインが凝っているけど、このアルバムは特にグッとくるわ。美しきケイト嬢が接吻しようとしているのは鎖で縛られた男性・・・そして彼女の半開きになった口の中にはその戒めを解く鍵が!これは収録されてる「ハウディニ」という曲がモチーフらしいわ。

ハウディニとは、プリンセス天功もびっくりの大脱出を行なった奇術師なんですって。アルバムは視覚、聴覚トータルでひとつの作品になるけど、細部までのこだわりにはとにかく脱帽よ。

以前見た「The Dreaming」のVideoも刺激的だったわ・・・ミイラと綱引き!?・・・シュールね。レコーディング時にチャンネルが足りなくなってスタジオの壁をぶち抜いてコンソールを追加したり、音へのこだわりは異常と言えるほど深いわぁ。

・・・もしあなたがケイト嬢未体験なら気をつけて!どこまでも伸びゆく澄んだ高声と沈みこむ低音、エフェクト的なコーラスが渦を巻いて、呪文のように一生耳に残るわよ!彼女は天使なのかしら・・・それとも・・・?

img7f768548zikfzj.jpegMedeski,Martin&Wood

The Dropper

「うわ!なんですかこれ!」行きつけのお店でかかってた曲の格好良さに、ピポ子思わず箸を置いたわ。

Medeski,Martin&Woodの「The Dropper」というアルバムだと教えてもらい、即CDショップへ買いに行ったの。もう5年以上も前になるかしら・・・。

彼等の音を目の当たりに、いや耳当たりにした時は、有無を言わさぬその圧倒的な音にただビックリ!keyのジョン・メデスキ、ds.perのビリー・マーチン、bのクリス・ウッドの3人からなるジャム・バンドなのだけど、本人達はジャム・バンドとは呼ばれたくないんですって。ジャズといえばジャズだし・・・といってもこの即興性は何と表現すればいいのか、言葉が見つからないわ。

中には'前衛音楽'なんて言う人もいたけど、冒険しても土台がしっかりしているから起承転結があるのよ。とってもドラマティック!アルバム1曲目からかなりの衝撃を受けるけど、ピポ子のお気に入りは3曲目の「Felic」このベースは卑怯者!と言いたくなる位の伊達男プレーなの!

自分達のは予め考えて音楽を作らない、出来るだけその場その場で考えていきまとめていくとあるインタビューで言っていた彼等・・・やはり力とセンスが有る人は、いくらでも自分を解放出来てしまうと言う事なのね・・・ある意味解脱の域に到達してるわ。まず、ピポ子は修業からね・・・。

img6dbde289zik3zj.jpegCHIC

Freak Out

ワン・ツー・アー♪とくれば、そのまま口ずさむのはCHICの「Freak Out」

学生時代、ファンク好きな友達が廊下で「アー」と言い出したらすかさず歌い繋いだものなの。ピポ子はリアルタイムに聞いてないけれど、ディスコやラジオで聴いてた方も多いと思うわ。ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズの言わずとしれたビックコンビのバンドとして有名だけど、そのお洒落サウンドを初めて聴いた時は思わず踊り出したくなってしまったわ。

アルバム「Freak Out」は、シスタースレッジという当時彼等がプロデュースしていた女性グループの曲が半分以上収録されていて、1枚で辛口と甘口2味楽しめるの。この後CHICは「Real Peaple」に代表されるようにどんどん新機軸を打ち立て洗練されていくけど、ピポ子はこの頃の単調ではあるけど、ダンス!ダンス!ダンス!な彼等が大好きよ。

ピポ子が、12インチリミックスとか何たらバージョンというものに興味を持ち始めたのもこの頃からなの。ナイルとバーナードの影響が大ね。ダンスフロアが時代と共に変化していく様に音楽も変わっていったしまうけど、人々を踊らせる素敵な音は変わらないものなのだわ!ピポ子も金字塔を打ち立てたいぃぃぃ〜!

Music Review

2007 9
リリ・ヘイデン / リリ
Kate Bush /The Dreaming
Medeski,Martin&Wood / The Dropper
CHIC / Freak Out

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