ラウル・ミドン
State Of Mind
この方の音を聴いていたら、知らず知らずのうちに心が溶け出していくよう・・・ギタリストであり素晴らしいシンガーであるラウル・ミドンのファースト「State Of Mind」。
なんと只今来日中なんですって!行きたかったけどスケジュール的に断念!!
キザイア・ジョーンズを彷彿とさせる部分もあるけど、とにかく"なになに臭さ"が無くて直球に"暖かい"と言うべきかしら・・・。人間は生まれた時は真っ白で綺麗だけど、すぐ外気に晒されてどんどん汚れていくのよね。中には知恵をつけて、殻で覆ってみたり上から色を塗ったりする人もいるけど、ミドンは汚れていく事も欠けていく事も受け入れて楽しんでる様な気がするわ。だからこんなにも優しい音が出せるに違いない!そう思ったの。
盲目であると言う事で様々な思いを経験されてきただろうに、彼のインタビュー映像を見ると終始楽しそうで、暖かな空気が流れていたわ。楽曲はどれもこれもセンスがよくて、ジャズ、ソウル、フラメンコと七変化よ!そしてどの曲にも共通して言えるのは"恐ろしく美しい"メロディーラインが存在しているという事。
7曲目の「Expressions Of Love」はスティビー・ワンダーがハーモニカ・ソロで参加していて更にその美しさに拍車がかかってる!何かを表現する時、その事柄をリアルに経験したり心から思いを伝える人には敵わないものよ。いくら"優しい音"を作ろうとしても上辺だけではすぐ見破られてしまうわ。
だけどラウルは自分自身を楽しみ、すべてを受け入れているからこそこれほどまでに慈悲深い音になるのかもしれない・・・。今トゲトゲとした気分の方には是非聴いて頂きたいアルバムね!ピポ子も只今ヘヴィローテーションで聴いております。
シカゴ
Night&Day
シカゴと言えば、皆さんどんな事を思い浮かべるかしら?
ピポ子は息の長いおじさまロックグループで、車のCMソングに多く起用されているというイメージがあるわ。実際どんな人達なのか何人編成かも全く知らないの。
でもね、このアルバムを聞いた時はぶっ飛びました!
「Night&Day」タイトル通りジャズのスタンダードが満載なんだけど、当時ヤングガールだったピポ子は「こんなにジャズって格好良かったっけ?」と脳天をぶちやぶられたわ。いつかはホーンセクションを入れてバンドがやりたい・・・と思ったのもこの頃からかしら。
何年も経って、あまぞーらに加入したTpの健夫くんにこのアルバムを貸したら、彼は「あまりにも恰好良いから自分も買う!」と言ってCD屋さんへ直行したの。特に素晴らしいのは1曲目の彼等のグループ名と同じ「シカゴ」このバージョンを聞いてから、オリジナルを始めとする様々な人達のバージョンを聞いたけど未だに越えるものはないわ。
その他にもファンキーな「キャラバン」、大人の余裕の「ナイトアンドデイ」、男らしさ満載の「ムーンライトセレナーデ」・・・挙げたらキリがない〜。これだけ男の色香を出せるというのは驚異としか言い様がないかも。ジャズ未体験の方には特にオススメよ。これでジャズ好きが増えるかも・・・。