Music2008_06

img3209f6edzik4zj.jpegウラディーミル・アシュケナージ

ショパン:12の練習曲

ウラディーミル・アシュケナージというピアニストは皆さんご存知かしら。クラッシックの世界では超有名なピアニスト!その彼の超絶技巧作品として有名なアルバムが「ショパン:12の練習曲」よ。

最近では指揮者としての活躍が多いようだけど、何と言ってもピポ子はこの頃の彼が好きなの。特にこのアルバムはエチュード抜粋なので、脈略もなくただ唖然とさせられる演奏なのよ。ライナーには"怪物"と称されていたけど、まさにその通り!

特にショパンの楽曲だけに、その美的表現はとても難しいと想像できるけど、技巧+情感がとても素晴らしい!!有名な「革命」もその時代背景と緊張感が恐ろしいほど伝わってくるわ。

実はピポ子・・・幼少の頃に母に無理やり連れられ、ピアノを習いに言った事があるの。女性の先生だったのだけど異常に厳しくて、音を楽しむ事より譜面に忠実に弾く事を強制されたわ。おまけに譜面でピポ子の頭を殴るというスパルタぶり!ピポ子は憤慨して2日で辞めちゃった。この時の経験がかなりトラウマになったけど、ピアノの鍵盤の重さやその音色に魅せられ、今では自己流で楽しんで弾いているのよ。

世界には数々の有名な演奏家がいるけど、アシュケナージほど日々進化し続ける人はいない。彼曰く、「自分の古いレコードは聴いたことがない・・・自分の昔の作品なんか聴いても役に立たない」だそうよ。彼の言う努力とは作曲者の意図に近づこうという事なのだけど、自分は進化しながらオリジナルへの回帰を目指している・・・永遠に答えが出ない目標に思えるわね。

クラッシックの世界は、同じ音楽でもかなり特殊だと思うの。作曲者が何を考えてそう演奏するのか、何故この音がここにあるのか、そんな背景もきちんと考えないといけない世界だけに、音楽という単純な言葉だけで理解するのは難しいのかも・・・。でもどんな音楽であっても、演奏する人の個性や哲学というものが大きく反映されるから本当に面白い!だからやめられないわぁ〜!

img224775e9zik0zj.jpegパルプフィクション,ジャッキーブラウン

サントラ

映画館で映画を見る事があまりないピポ子・・・でもこの2作品は公開当時劇場で見たわ!「パルプフィクション」と「ジャッキーブラウン」どちらもクェンティン・タランティーノの代表的なクライム・ムービーと呼ぶべきかしら。

軽快なリズムの中に彼の執拗なこだわりと、"陽のように見える陰"が描かれていてとても面白いわ。まるで、古着屋でもの凄い価値のあるデットストックのワンピースを格安で手に入れたような・・・押しつけがましい外面のお洒落感ではなく、特有の生臭さがある作品なのよね。それはきっとユマ・サーマンやパム・グリアーなど濃度の濃い女優さんを始めとする役者陣の色合いもあるのかしら・・・。

実はピポ子、一時期ユマのパッツンおかっぱに憧れた事があるのよ。それくらい役者さんの魅力を引き出せるって凄い事だわ!魅力的なのはそれだけじゃないの、同映画のサントラも生臭くって恰好良い!どちらも作品のテーマにぴったりで、タランティーノの選曲のセンスには驚かされるわ。

「パルプ・・・」ではクール&ザ・ギャングの"ジャングル・ブギ"、「ジャッキー・・・」ではボビー・ウーマックの"110番街交差点"と、往年の名曲を自分の作品と融合させる技はお見事!しかも各シーンのセリフと繋げて構成されたりしてるので、サントラを聴くと映画のシーンが蘇ってくるわ。

本来なら、一からオリジナルの楽曲を作るという方法が一般的なんだろうけど、彼の「この曲のこの世界観が好きなんだ!」という意気込みが伝わってくるからこの方法はアリ!ね。あちこちから集められた隠れた名曲の数々・・・タランティーノとマニアック比べに興じるのも良いかも・・・。

Music Review

2008 6
ウラディーミル・アシュケナージ / ショパン:12の練習曲
パルプフィクション,ジャッキーブラウン / サントラ

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