Music2008_07

img94df97bdzik6zj.jpegRihanna

good girl gone bad

Rihanna・・・皆さん彼女の歌を、一度は耳にしてるかもしれないわね。最近では色々なアーティストとコラボしているけど、やはり外せない曲は最新アルバム「good girl gone bad」に収録の"アンブレラ"!!

この曲を初めて聴いた時、サンプリングされたサビの「アンブレラ・・・エラ・・・エラ・・・エ・・・エ・・・」という部分が耳から離れず、未だに彼女の映像を見ると『エラ・・エラ・・』と口ずさむ自分に気付くの。

最早これは洗脳の域に近い!これだけ印象が強く残るのだから、楽曲としては大成功じゃないかしらね。彼女の歌声は本当に良い意味でどろっとしていてクドい。曲の所々に現れる、鼻から声をくぐらせる独特のこぶしは、キーボードのピッチベンドを滑らかに動かしたよう・・・!

これまでのR&BやHip-hop女性アーティストにはない素晴らしいオリジナリティ奏法だと思うわ。この曲は「私の傘に入っていいのよ、一緒にいましょう」という歌詞から、女性が大きな愛で男性を包み込むという世界観かと思いきや、それだけではない気がするのよね。

冒頭Jay-ZがラップでRihannaに対し、「オレは雨に備えて金を貯めてる」とか、いつものようにモノ自慢をしているので『ああ、又ラッパー特有の自己顕示欲アピールタイムか・・・』と思ったけど、citybankのシンボルにも見られる傘はあらゆる災難から守るという意味だったのね。

RihannaはJay-Zに見いだされ大成功を収めた訳だけど、今では彼女は彼のレーベルのドル箱アーティスト。2人の作品に対する自信の現れなのかもしれないわね。それに映像もなかなか痺れるのよ〜!彼女が雨と戯れるシーンは絶品!ダンススタイルも小気味よくて本当に恰好良いの。

彼女はセクシーだと良く言われてるけど、色気というものは殆ど感じられないわ・・・どちらかといえば、昔オルゴールに入っていたくるくる回るバレリーナ人形の方が近いのよね。ルックスはかなりメイク映えするお顔立ちだし、プロポーションも人間臭さを感じない・・・まるで二次元の世界にしか存在しないような不思議感よ。

アルバム「good girl gone bad」は様々なタイプの楽曲が目白押しで飽きさせないし、ジャケットは彼女そのものを見事に表現していてかなりグット。バット・ガールに憧れるアナタ、先ずはRihannaの鬼太郎ヘアーから真似てみては?ゲゲ・・・ゲゲ・・・ヘア・・・♪

img04c9937fzikazj.jpegメタリカ

セイント・アンガー

以前彼らのドキュメント映画「メタリカの真実」を見た時、彼らが全神経をかけてレコーディングしていたアルバム「セイント・アンガー」をようやく聴いたわ!

いやぁ、久々にお腹にズドンとくる音をお見舞いされた・・・さすがと言うしか無い。映画の中で、ボーカルのジェイムスが精神的に追込まれながら己の内側に煮えたぎるものを吐き出していく様は、自分に重なる部分が多く見ているうちに辛くなってきたの。

1曲目の「フランティック」は自分の中にあるフランケンシュタイン的な部分を表現したとジェイムスは言っていたけど、迫り来る狂気が大きな音粒となって現れたわ。サビ後の"フランティッ、ティッ、ティッ、ティッ、ティッ、ティッ、タァ!"とリズムを刻む部分は久々の鳥肌もの。思いつきそうで思いつかないし、最後の"タァ!"はまさにジェイムス節。

彼は中音から低音にかけてが魅力的だけど、場面毎に様々な音を使い分け、リズムを歌で聴かせる事の出来る数少ないボーカリストだと思うわ。その他にも「サム・カインド・モンスター」、「シュート・ミー・アゲイン」等今回のテーマである"怒り"を様々な色合いで聴かせてくれた剛音軍団・・・たまりません。

しかしメタリカというバンドは改めて聴くと、ドラムとボーカルだけでも十分成り立っちゃうのね。中心部がこれだけしっかりしてるから最小限の音で聞き応え充分なのよ。

メロディーライン、リズム、哲学、姿勢、そして温度さえ伝わってくる音・・・どれをとっても真剣勝負!これじゃ、誰も敵うはずありません。長い間彼らが重厚で深い音を紡ぎ出せるのは、きっと心の奥底にある怒りを情熱の燃料にしているからなのかもね。

img43b3f17fzikczj.jpegジプシー・キングス

グレイテスト・ヒッツ

「ジプシー・キングス」・・・と聞いて思い出すのは"鬼平犯科帳"のエンディングとビールの宣伝ね。

不思議なもので、このグループの音は日本人には馴染が深いわ。初めて彼らの音に触れたのがいつかさえ覚えていないほど、自然に入ってきていたもの。

大昔、ピポママが"鬼平犯科帳"のファンで毎週を見ていたのだけど、時代劇のエンディングがインストで、しかも情熱的なギターが鳴く曲『インスピレーション』ときたからビックリ!四季折々の江戸の風景とマッチしていたのを今でも思い出すわ。

そして、ビール売り場でこの時期ヘヴィーローテーションの『ボラーレ』サビを聞く度、つい乾杯の音頭を取ってしまいそうなくらいテンションが上がるのよね!CMに起用したビール会社は耳の付け所が良い。そこで気になるジプシーキングスのベスト・アルバム「グレイテスト・ヒッツ」を早速聞いてみたわ。

いや〜1曲目から熱い!というか聴いてるうちに、不思議と肌に彼らの国の"温度"を感じるのよね。グイグイ惹き付けられて、あっという間に目の前に夕日が・・・フラメンコダンサーが・・・石畳に酒場に、そして彫りの深い人々が登場し愛を語り出すの。

心の奥底をぐつぐつと沸騰させようとするこの"情熱"の火種は物凄く熱い!!内気な日本人には、奮い立たせるこのエネルギーが必要だからこそロングヒットしているのだと確信したわよ。でもピポ子の心を強烈に揺り動かしたのはリズムとボーカル!喉前面からの発声と独特のこぶしは、太い筆で描いた線のようよ。筆はくっきり描かれる部分と掠れた部分が融合して個性的な線になるでしょ?その手法が"音"として成立しているから誰にも真似出来ないのよ!とにかく恰好良い!!

このアルバムを聴いているうち、以前あまぞーらで熱い楽曲を作ったけど、まだまだ自分の思うように表現し切れなかった事を思い出したの。今度こそは女性カンテとして、情熱を沸騰させやるぅ!あら、ピポ子もテンションが・・・。

imgd33a07d0zik4zj.jpegTheresa Andersson

Na Na Na

バンドをやりたいけど仲間がいない、レコーディングってお金がかかりそう・・・そんな風に考えて二の足を踏んでいるアナタ、世界には凄い方がいらっしゃいますわよ!

ニューオリンズ在住のTheresa Andersson嬢は、自宅の台所で様々な楽器を1人で演奏しアルバムまでリリースしちゃったというパワフルウーマン。即興演奏「Na Na Na」の動画をYouTubeにアップロードをした所、視聴数が瞬く間に増加し未だにその勢いは衰えていないそうよ。

どうやら彼女の家の台所は、自然な残響効果があり演奏には大変適しているんだとか。ギター、バイオリン、ドラム、木、ソーダ瓶までありとあらゆるものを駆使し、台所中を動き回りながら曲を生み出していく光景は何ともユニークよ。

実際聞いてみると、確かに音が良いの!リズムをループさせてその上に別の音色を重ね、更にボーカルとコーラスをのせるというシンプルな手法なんだけど、Theresa嬢の透明感のある声質とポップな曲調にはかなり適した"スタジオ"と言っていいかも。

台所って命を繋ぐものだけでなく、心を潤すものを生み出す"聖なる場所"なのかもしれないわね・・・。ピポ子が以前ブルースバンドを結成した時、メンバーの住む築100年の家で録音を試みたのだけど、土壁や高い天井の影響なのか、とにかく音の響きが最高だったわ!

楽器もアンプもマイクもすべて有り合わせのものだったけど、出来上がった音を聴いて全員「機材じゃないんだなあ・・・」と感心したの。その時表現したい世界観が、その場の空気感と自然のリバーブの相乗効果でバッチリハマったという事なのね。

レコーディングは常に神経をすり減らす真剣勝負の場であるけど、こうしてリラックした状況で何かをゆっくり作っていくのも悪くないかもしれない。そのうちピポ子もベットルームを改造しようかしら・・・でもリラックスしすぎて寝るかも・・・間違いなく寝る。

img24672a55zikdzj.jpegティナ・ターナー

Live In Concert (DVD)

2008年のグラミーでのティナ・ターナーとビヨンセの共演・・・新旧美脚クイーン2人が名曲"プラウド・メアリー"を熱唱しているのを見たけど、ティナの勢いが減退してる気がして、久々に知人が編集してくれたティナのライブ映像を見ることにしたわ。

確かイギリスでのライブだったと思うけど、とにかく60代とは思えない若々しさ!全身に張りがあり、お決まりの光沢のあるパッツンパッツンの衣装が眩しい程似合ってるの。その迫力ある歌声とパフォーマンス・・・才色兼備のダンサーや超テクミュージシャン達に一瞬目や耳が奪われても、最終的に彼女に焦点が合わされちゃう。呪いに近いんじゃないかと思うくらいの凄まじいティナのエネルギーに"やられて"しまった。

芯のあるその歌声は聴いてるこちら側の背中まで響く響く・・・独特の前のめり"ゴリラティック"スタイル(失礼!)でパワフルに歌う姿は無敵!これだけの広いステージをダンサー顔負けに走り回っているというのに息切れひとつなし。ハードに歌い上げた上に、MCで声を張り上げても掠れひとつなし。しかも、かなりの曲数を全開で歌い上げるにも関わらず飽きる部分が全く無いというのは、演出の素晴らしさがあるにせよ、何よりティナの表現力の凄さね!

サディスティックな怒り、セクシーさ、時には恋を諭す母のような優しさ・・・曲が変化する度、素敵な絵画を次から次へと見ていくような気分になれるのよ。もはや"歌う美術館"と言って良し!特にピポ子のお気に入り曲は"プライベート・ダンサー"恐らく音源のみ聞いていたらそこまで興味を持たなかったかもしれないけど、この曲を歌うティナの目が観音様のように慈愛に満ちて美しいの。

お金の為にどんなダンスでも踊るプライベートダンサー・・・でも、夢は家を買って幸せに暮らす事よ・・・自分の夢の為に割り切って仕事をするダンサー達、つまりそれは世間で様々な苦難と戦っているすべての女性の事であり、そんな同胞に向けティナは慈しみの気持ちを持ってメッセージを投げ掛けている、そう思えたわ。

彼女の歌は女性の全てを体現しているのよね。だからこそ強くて美しいのかも・・・。常に猪突猛進のスタイルで、自分の生き様を見せてくれるパワフル・ディーバ・ティナ!赤いちゃんちゃんこの次は、銀のちゃんちゃんこまで歌い続けて下さいね!!

Music Review

2008 7
Rihanna / good girl gone bad
メタリカ / セイント・アンガー
ジプシー・キングス / グレイテスト・ヒッツ
Theresa Andersson / Na Na Na
ティナ・ターナー / Live In Concert

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