Movie2007_09

img73422b91zik6zj.jpeg「ドッグショウ」

感心と爆笑の攻防戦

自然に笑いを誘う映画って凄いわよね・・・「ドッグショウ」はまさにそれ!(オリジナルタイトルは「Best In Show」)

映画「みんなのうた」のキャストが総出演の第1作目なのだけど、この俳優陣はやっぱり凄かった・・・!!

ストーリーは全米で名高い「メイフラワー・ドッグ・ショウ」が開催される事になり、わが家の自慢のワンちゃんを優勝させようと様々な人々が大奮闘するの。とにかく登場人物の設定が濃くて最高!

犬をセラピストの所まで連れて行くほど犬中心の生活をしている夫婦、愛犬のスタイリングに熱心なゲイカップル、愛犬の歌を自作し披露する夫婦(行く先々で昔の彼氏に遭遇するモテモテ妻とモテない夫)、セレブな若妻とレズビアンのドックトレーナーカップル等々・・・

これだけの設定を詰め込めばぐちゃぐちゃになってしまいそうだけど、見る側にその状況を自然と受け入れさせられる役者の力量と言うのは恐ろしいわ。ドキュメンタリー形式で物語が進んで行くのだけど、一人一人のキャラクターがしっかり立ってるからこそ出来る演出よね・・・。

ストーリー、演出、役者共に5重◎〜!何て素晴らしいんでしょう!'うふふ'・・・と'ぎゃはは'が絶えない、見事ツボを突かれた名作よ!もう1度見ちゃおう・・・。

4102.jpg「ミステリー・メン」

一番頑張った人がヒーロー

ピポ子が大大大好きな歌い手トム・ウェイツが出演していると聞いて見ました!良く出来てるし面白い!物語は正義と平和を愛するけれどいつも失敗してばかりのドジっ子ヒーロー達が努力し力を合わせ、悪の権化を倒して本物のヒーローになるという内容。

ユニークなのが彼等の設定!!

スコップを武器にする現場出身のシャベラー、怒るともの凄い力を発揮するフトュリアス、ナイフ投げの紳士ラジャ、人を失神させるほどのガスを出すスプリーン、透明人間になれるオタク少年インビジブル...でも、極め付けは父の頭蓋骨を入れたボールを投げて攻撃するボーラー。すんごいキャラだあ!

そして、マイダーリン、トム様はなんと遊園地の廃虚に住む「武器デザイナー」なの。はまり役で恰好良すぎよ!!!

この作品は世間で地道に働く、いわゆる立場の弱い人にスポットを当てているの。

敵方にはシニカルな笑いをさそう人物が用意されて更に面白いわ。でも何より、努力する事、そして自分を信じる事がパワーの源になるという事、そして人間は言葉や態度でしっかりとコミュニケーションを取り、お互いのつながりを深める事が大切なんだなと改めて思い知らされたわ。ただ面白いだけでなく現状の自分に置き換えつつじっくり楽しめたの。

でもね...やっぱり...トム様は文句なしに素敵よ!!

imgf483ead3zik7zj.jpeg「トランスフォーマー」

帰国子女になり損ねたロボット

「トランスフォーマー」と言えば、1980年に前身となる「ダイアクロン」なるおもちゃが日本で産声を上げ、後の85年にTVアニメが放送開始された歴史のある日本文化!?よね。そして、S・スピルバーグが制作総指揮、マイケルベイ監督で実写となってついにお披露目。

米では記録的な興行収益でスタートした本作、日本では8/4から公開。さてその出来映えは・・・。

"キーカシャン・・・キーカシャン"、アニメ時代はコマ送り的な変身だったけど、驚いたわ!!!あっっっっっっっっっっという間にマシン戦士にに早変わり。歌舞伎の早変わりもびっくりドンキー!

あまりのスムーズさと背景との違和感のなさに映像テクノロジーもここまで来たかって感じよ。ILMの64ビットスパコンと350人のスタッフがフル活動。解像度は何と8000ピクセルですって。

とかくCG系の合成は重量感を表現するのが難しいのだけど、かつて無いほどに溶け込んでるの。これは、カメラの寄りに比例して物体を早く動かして、ひいた絵の時はスローにするという人間の視覚感覚をうまく利用した手法ね。これは勉強になったワン。

え!、物語はどうなってるのかって?・・・。

基本的なお話は、善悪の衝突によって滅びたある惑星の生き残りが、時を超えて地球を舞台に再びドンパチ!的な事なんだけど・・・、何だかビバヒル青春白書トランスフォーマー編みたいな感じでちょっと・・・ね。バッチリメイクのヤング達がいとも簡単に信号分析しちゃうし、ステレオタイプ的な描きかたされた黒人も出てくるしと・・・。絵的な描写は「アルマゲドン」そのまま。

やっぱり、この映画はマシン同士の戦いと変身シーンが主役で、物語はサブなのかしらね。それでも、特殊映像だけで十分見応えがあったわよ。ピポ子的には、イライラするヤング達のセリフをつまめば、もっと締まりのある作品になったかもね。ぶふう。

img74df0cfczikfzj.jpeg「エバン・オールマイティ」

箱船は笑いがいっぱい

「エバン・オールマイティ」なんだけど、試写後突然日本公開が中止になってしまったの・・・。でもまぁ〜ジム・キャリー演じる「ブルースオールマイティ」の続編。

物語はスティーブ・カレル演じるエバン(米下院議委員)が、モーガン・フリーマン演じる神様から予期せぬ誘いを受ける・・・それは、現代のノアの箱船を建造する事!

設定としてはとても面白い題材よね!口先だけの政治家に有言実行させてみようという切り口なんだけど、脚本はいかにも笑いを得ようとしてショートコントの連続みたいになってるの。

"現代のノアの箱船"だから宗教的な側面が強いのかと思ったら一切無くて、教典的なメッセージもなし。ある意味万人向けにアプローチされてるのよ。

コメディだから物語に深みは必要ないと言う人もいるかもしれないけど、コメディだからこそ深みのある面白さが必要じゃないのかしら。でも、見終わって「あ〜時間の無駄」とは感じなっかたの。

なぜかな〜と分析してみると・・・画面に登場する動物達が単純明快に可愛いのよ。さすが制作費にコメディとしては破格の2億$かけただけあって、動物の演出は完璧ね!!

ただ評価できるのがそこだけなのが残念な作品だったわ。

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