「ドリームガールズ」
夢を支えるもの・・・
1962年、デトロイトで歌姫を夢見る3人の少女。”ドリームメッツ”というトリオを組み地元の新人オー ディションイベントに参加していた。その様子を舞台裏から熱心に見入る一人の男・・・。彼の脳裏に は映った夢を実現するために動き出す。
60~70年代のダイアナロスとシュープリームスをモデルとして描かれた作品。
自己の信念を貫き通す事が夢なのか、夢がかなっって初めて自分の存在に気づき・・・そして。
エンタテイメントやスポーツ系の実話を背景にしながら、一世一代のブレイク物語を映画化した作品は多いが、残念ながら記憶に刻まれるものは少ない。2時間の枠の中に凝縮するには様々な出来事や感動を間引いていかなくてはいけないからだ。
そして話題の「ドリームガール」。
映画化の前に、切磋琢磨なブロードウエイミュージカルとして1981年から4年間で1522回のロングラン実績が、素晴らしく映画作品として役立っている。音楽文化だけでなく、その背景にある人種差別もこの作品の価値を高めてるのだ。
登場人物すべてに夢がある。お金を得てゴージャスな暮らしをしたい・・・だけが夢という訳ではない。一生歌い続ける事も夢。自分に変化を強いる事で、つかんだ夢を手放さないようとする夢、そして夢 の中で自分を見失わないようにと夢を抱く者。夢を実現した事に気づかず更なる夢に翻弄さる者・・・。その全てが歌という魂でつながれている。
その魂の歌をビヨンセ他、”アメリカンアイドル”で全国区になったジェニファー・ハドソン等が見事に表現している。特にビヨンセが素晴らしいのは、歌姫が映画に出ると必ず、自我を前面に出して作品がアーティストのプロモーションのようになってしまうものだ。
ビヨンセは違った。完全にダイアナロスになりきっているのだ。ステージの横からのショットは当時の彼女そのもの・・・驚きである。この映画の中にビヨンセは存在していない。当たり前のような話だが 、音楽アーティストは俳優ではないので自分を押さえる事ができない。ビヨンセあっての「ドリームガールズ」なのかもしれない。
歌は、愛のささやきにもなるし、喧嘩の道具にもなる。そして、文化を伝承する大切な生きた記録媒体 なのだろう。今はレコードからCD、そしてオンラインへとその歌は物として残され消費されてゆく・・・ちょっと寂しい。本来の歌の持っている生命力は五感として受け継がれ時代を描写しながら永遠の時 を刻むのだろう。この作品を見ながら、ふと、そんな事を感じるのだった。
ジェイミー・フォックスも忘れてはいけない。「コラテラル」「Ray」で能力を開花させた実力派が今回 もクールでショービズな役所を演じた。歌姫に圧倒されながらも、基軸となる差別的な文化背景を脚 の良さともあいまって演じている。
もう一人、エディ・マーフィーも渋いポジションで物語を引き締めている。彼は最近他界してしまったJ ブラウンをモデルにパフォーマンスを披露。フォックス同様、直接的ではないが当時のアフリカ系アメ リカ人のステイタスをさりげなく表現している。
夢を支えるもの・・・、「ドリームガールズ」を見終わって、それぞれが感じ取れる何かが、きっとあ なたを支えているのでしょう。(reported by G)
ルーシーショウ
驚異のキュートガール
皆さんはルーシーショウをご覧になった事がある?
ピンと来た方は・・・ですね!ピポ子はその番組名だけは知っていたけど見た事はないの。何せピポ子が生まれるウン十年前に放送されていたんですもの。
ルシル・ボール演じる銀行勤めのルーシーはおっちょこちょいでお人よし。いつも上役のムーニー氏に怒られつつ大騒動を巻き起こすのよ。笑いあり涙あり音楽にダンスあり・・・様々なショウの要素がふんだんに取り込まれ、まさにザッツエンターテインメント!ストーリーも良く出来ていているし、お客様の笑い声が入るシットコムスタイル(シチュエーションコメディ)はこの番組が発祥らしいわ。
ドリフもきっとこの方式をなぞって制作されたに違いない!スカパーで放送されたものを一気に見たのだけど最終回に近づくにつれどんどん勢いが増し、ラストではルーシーはあくまで脇役に徹してさっぱり終わってしまったわ!
しかし長い時間を経ても何一つ色褪せてない、真空パックの面白さ。これぞモノづくりの基本であるわね!!演じるだけでなく実業家としても超一級!ファッションもメイクも最高にいかしてる・・・レディ・ルーシーよ永遠なれ!!
「砂の惑星」
砂上の神話
砂。
砂。
砂の惑星。
デューン!!!
20年以上前に作られた映画という事ですがもうねええ、スゴイアル。
出てくる生物はリアルアルアル。
いやあ、役者さんも素晴らしいし、衣装もセットもスンバラシイ!
スティングさんも出ておいでですが若いわ、最初台詞ないわ、パンツ一チョだわ、髪あるわ・・そして殺される・・。
どの方も素晴らしいですがピカイチは、子役のお嬢さん!!!
主人公ポールの妹のアリアちゃんという子で超能力を持つ、神秘少女なのですが敵地に単身乗り込み、自らの能力を駆使して兄の手助けをするのですが武器を手に、恍惚とした表情で戦場をバックに笑うショットがあるのですが思わず背筋が凍るほど素晴らしい画でした。
・・子供にこんな顔が出来るなんて・・・恐るべき子役さんです。
この映画では、ピポ子の大好きな人食い花やおちょぼ口のコポコポエイリアンや人の養分をすする空飛ぶ狂気オデブさん・・・。
いやあ、他人とは思えません。しかもすごい質感だ!こんな昔にこんな素敵な映画があったとは・・・。
ビバ!デビットリンチ!!
「パイレーツ・オブ・シリコンバレー」
やっぱりMacが好き
米の99年TV用映画で話題になった「パイレーツ・オブ・シリコンバレー」を見たわ。
主人公は、あの電脳世界を変えたMSのビル・ゲイツとAppleのスティーブ・ジョブスよ。
学生運動真っ盛りの時代、政治には全く興味がなくひたすらガレージで電子機器を組立てているジョブスとウォズニアック。 一方、弁護士的な素質で誰も見向きもしなかったソフトの権利だけを事あるごとに主張するゲイツに何とか体裁を整えるポール・アレンと、タイトル通り「シリコンバレーの海賊」の雰囲気がピッタリよ。
お話は二人を崇めたものではなく、この業界を変えた重要な時と二人の人生が中心なの。王者IBMの今世紀最大の判断ミスと言われるゲイツとの交渉場面など何かと見どころがある作品になっているわ。
「ポリス/インサイド・アウト」
最強トライアングル
20年近い時を経て一本のフィルムがドキュメントとして映画化されたんですって。それが「ポリス/インサイド・アウト」。
ドラムのスチュアート・コープランドがデビュー時代から頂点までのプライベートフィルムを2006年サンダンス映画祭をきっかけに全世界的にお披露目だなんだそうよ!
サウンドトラックは勿論ポリスだけど、コープランド的編集がなされているのでファンにはたまらん!例えば、スタジオテイクのヴォーカルをライブ音源と合わせてるとかね。こりゃ聴きたいでしょ?
映画という視点よりも、コープランドの動画日記的感覚で楽しめるといった具合かしらん。でも後半の彼のナレーションは同じミュージシャンとして考えさせられるわい。
ピポ子が昔ポリスをカバー時、一番好きだった曲は「Murder by number」よ!!酒がすすむ名曲じゃわ。